<病気の原因>
アーユルヴェーダでは、
さまざまな要因が病気を引き起こすとされていて、
中には、西洋人には聞き慣れないものもあります。
たとえば、不道徳な精神が
原因になることがあると考えられています。
これは西洋では一般的な考え方ではないかもしれませんが、
多重人格障害の研究で、場合によっては
この理論が当てはまることがわかっています。
ほかには、毒物、毒素、汚染、火、事故、惑星の動き、
神の行為、そしてカルマの影響などが原因として挙げられます。
<不健康な行動>
アーユルヴェーダでは、病気の真の原因は
アンバランスだと言われています。
アンバランスにつながるおそれのある要因は主に3つあります。
・心身の誤った使い方(プラジナパラダ)。
これには、人間の生命に関係する自然の秩序に逆らい、
知性や情緒や記憶を損なう、あらゆる思考と行動が入ります。
自分の体や健康を顧みないことだけでなく、
暴飲暴食、咳、あくび、くしゃみ、排便、排尿など
自然の衝動の抑制、自分勝手な行動、
ふさわしくない人(欲が深い人、憎しみでいっぱいの人、
怒っている人)との交友、などもこのカテコリーに入る要因です。
・感覚器官と感覚対象の不健全な結びつき(アサトミエンドリヤルタ・サムヨーガ)。
五感器官への刺激が過小または過剰だということです。
耳をつんざくような騒がしい音や音楽を聞く、
不衛生な環境で暮らす、中毒物質を吸う、
マッサージなどの身体療法をやりすぎる、
などはすべて不健全な結びつきの例です。
・時間と季節の影響
アーユルヴェーダでは、
一連の習慣が生活の基盤を築くとされています。
毎日行うものもあれば、年1回のものもあり、
人生の節目節目でやることもあります。
さらに、私たちの生活にはサイクルがあると考えられています。
そういうサイクルはすべて重要であり、
健康のためにはそれを固守する必要があるのです。
たとえば、睡眠不足になる、冬に寒い思いをする、
夏に暑い思いをする、といったことは害になると考えられています。
アーユルヴェーダでは、多くの病気は季節的なものとされ、
時季によって治療も異なります。
3つのドーシャにはそれぞれ、増大しやすい季節があります。
優勢なドーシャを持つ人は、ドーシャのバランスを保つために、
その季節にはとくに注意を払うことが大切です。
病気の主な原因は、ドーシャのアンバランスです。
ドーシャとは、すべての生き物に作用する3種類の身体的エネルギーで、
突然アンバランスになることもあれば、
ゆっくりとだんだんにバランスが崩れていく場合もあります。
今回は以上となります。